離婚の基礎知識

突然ですが、実は離婚は皆さんが思われているより簡単に出来るのです。

よくテレビの法律番組などで、VTRが流れた後に司会者が弁護士に「このケースは離婚できますか?」と質問すると、弁護士の先生は難しい法律用語を並べて離婚出来るか、離婚出来ないかを論じていますね。

でも、弁護士の先生がおっしゃっているのは裁判になったときに離婚ができるかできないかということなのです。離婚の問題が裁判にまでなるというのは、離婚件数全体の1%あるかないかです。

離婚の問題が裁判所に持ち込まれるまでには、まず夫婦双方で離婚について話し合いをすることが一般的です。

その話し合いにおいて、離婚自体及び離婚条件に合意すれば、離婚の問題を裁判所に持ち込むまでもなく、協議離婚(当事者同士の話し合いによる離婚)が可能です。

しかし、その話し合いの場すら持てない場合や、その話し合いにおいて、夫婦間で離婚自体に合意できない、あるいは離婚自体には合意しているが、子供の親権を父母のいずれにするのか、養育費の金額、慰謝料の金額、財産分与、年金分割などについて合意できないということもあり得ます。

そのようなときにはじめて、家庭裁判所に離婚調停(この段階で離婚自体及び離婚条件に合意すれば調停離婚が可能です)を申し立て、その離婚調停でも離婚自体あるいは離婚条件に合意できない場合に離婚訴訟(離婚裁判)ということになるのです。

つまり「俺はお前と離婚したい」「いいわよ、離婚しましょう」というお互いの同意があれば、離婚原因がどうであろうと、裁判所を通すことなく離婚自体は可能です。

もちろん慰謝料等の問題で離婚原因はかなり重要な要素にはなってきます。

離婚するには

では「俺はお前と離婚したい」「いいわよ、離婚しましょう」とお互いに離婚の同意さえあれば離婚できるかというとちょっと違います。

夫婦双方が離婚に同意することにプラスして、離婚届を市役所(区役所、町村役場)に提出し、その離婚届が受理されることによって、二人は完全に夫婦でなくなるのです。

話しはそれますが結婚の場合も同じです。いくらお互いが愛し合い、結婚の約束をしようが、立派な式を挙げようがそれだけで二人は法律上の夫婦とはなりません。

あくまでお互いに結婚の同意があることに加えて、市役所等に婚姻届を提出して、その婚姻届が受理されることによって、二人は法律上の夫婦となるのです。

つまり、お互いに離婚の意思があり、離婚届を市役所等に提出し受理されると離婚は成立します。このように家庭裁判所を通さずに夫婦双方が話し合って離婚することを協議離婚といい、離婚件数全体の約90%も占めています。

なお、夫婦間に未成年の子供がいる場合に限り、お互いに離婚同意があって、市役所等に離婚届を提出及び受理されるだけでは足りず、その離婚届に夫婦のいずれが離婚後に未成年の子供の親権者になるかを記載しなければなりません。

この離婚後の親権者について夫婦が合意できない場合は、協議離婚は不可能(親権者欄を空欄にしていたままでは離婚届は受理されません)ですから、当事者同士で更なる話し合いを続けるか、家庭裁判所に離婚調停を申し立てるかを選択することになります。

配偶者の合意が得られない場合は?

夫は離婚したいけれども妻は離婚したくない、妻は離婚したいけれども夫は離婚したくないということはよくあります。また、そもそも夫の暴力によってまともな話し合いが期待できないこともあれば、妻のヒステリーによって離婚の話し合い自体ができないこともあるでしょう。

さらに、夫婦間で離婚自体に合意はできたものの、親権者をいずれにするのか、養育費の金額、慰謝料の金額、財産分与、年金分割などについて合意できないこともあるでしょう。

上記のように、離婚の話し合いにおいて離婚自体に合意が得られない場合、そもそも離婚の話し合いすら持てない場合、離婚自体には合意できても離婚条件で合意できない場合は、話し合いの場を家庭裁判所に移して離婚問題の解決を図ることになります。

家庭裁判所を利用する場合、離婚に関する紛争は調停前置主義(訴訟を起こす前に調停をしなければならないということです)がとられていますので、まずは離婚調停を申し立てる必要があります。

そして、離婚調停(家庭裁判所における離婚の話し合い)を行っても双方が離婚自体に合意できない場合や、離婚自体には合意しているものの離婚条件に合意できない場合に限り、離婚訴訟(離婚裁判)を家庭裁判所に提起することになります。

このように離婚の場合に調停前置主義が採用されているのは、夫婦の問題などの家事事件については、非公開の席上(離婚調停は非公開で行われます)において、当事者がお互いに譲り合うことにより円満かつ自主的に解決することが好ましいと考えられているからです。

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