審判離婚

審判離婚とは、夫婦双方の合意が得られずに調停が成立しない場合に、それまでの調停手続をいかして紛争の解決を図るための制度です。

調停は、双方の合意がなければ成立しないわけですが、ある程度妥当な解決案が見えているにも関わらず、当事者が合意を形成することに感情的なわだかまりを持つ場合などにおいて、家庭裁判所の審判という形でなら、当事者がこれを受け入れ、紛争の解決が見込めることがあります。

例えば、離婚することそのものについては夫婦双方が合意しているけれども、財産分与の金額等について「一般的な額はこれぐらい」という解決案があるにも関わらず、当事者間による感情の問題があって調停が成立しないことになれば、これまでの調停で重ねてきた話し合いを無駄にすることにもなり、また離婚訴訟に発展してしまえば当事者双方にとって時間と費用がかかることになり、それは当事者双方にとって不利益です。

そのような場合に、家庭裁判所は、その調停を担当した家事調停委員の意見を聞き、当事者双方のため衡平に考慮し、一切の事情を見て、相当と認めるときには、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のため離婚等の審判や、金銭の支払いを命じることができます。(家事審判法24条)

審判の対象

家事審判法24条第2項によりますと、家事審判法第9条第1項乙類に規定するものは審判の対象外とありますから、財産分与の額(家事審判法第9条第1項乙類5号)や親権者を指定(家事審判法第9条第1項乙類7号)することはできないようにも読めます。

しかし、離婚調停の申立て時において、財産分与や親権者の指定も申立てているときには、乙類審判事項であっても、離婚事件に付随して解決する限りにおいて、審判の対象とすることができるというのが判例です。

つまり、離婚自体には夫婦双方が合意しているものの、財産分与の額や親権については合意できないというような場合においては、審判離婚の制度を利用することが可能となります。

異議申立て

審判は調停のように当事者双方が合意するのではなく、裁判所が「こうしなさい」と提示するものですから、意に反する審判が下される可能性もあります。

そのような場合には、異議申立てをすることができます。

審判に対する異議の申立ては、当事者が告知を受けた日から2週間以内に、その審判をした裁判所に対して行います。そして、その異議申立てが適法に行われているのであれば、異議申立てがあったときに審判は効力を失います。

つまり、裁判所からの審判に対して「気に入らない」と思われるのであれば、その告知を受けた日から2週間以内に異議を申立てれば、その審判に拘束されることはなくなるわけです。

なお、審判告知の日から2週間内に異議の申立てがなく、また異議の申立てが不適法であるとして却下する審判が確定した時には、この審判は確定判決と同様の効力をもちます。

利用されることは少ない

調停が不成立になって審判が行われるのは、全不成立調停のうちの1%程度と言われているぐらい、現状において、審判離婚は非常に少ないです。

ですから、調停離婚が成立しない場合は、そのまま審判を経ることなく、離婚訴訟に移行することが多いです。

この理由は、審判に対して異議の申立てがあれば、審判の効力がすぐに失効してしまうという点にあると考えられています。

ただ、実際に出た審判に対する異議申立ての比率は10%未満であるという調査結果もあります。

離婚届提出期限と添付書類

審判離婚の場合、離婚届は審判離婚成立後10日以内に、市役所(区役所、町村役場等)に提出しなければなりません。

また、協議離婚の場合は離婚届を提出するだけでいいのですが、審判離婚の場合は「審判書の謄本」と「確定証明書」が必要です。

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