裁判離婚

裁判離婚とは離婚調停が成立せず(夫婦間で離婚自体に合意できない、または離婚自体には合意できても離婚条件に合意できない)、調停に代わる審判離婚が行われないときや審判に対して異議申立てがあった場合、家庭裁判所に離婚の訴えを提起し、離婚の判決を得て離婚するという、まさに離婚問題の最終解決手段です。

協議離婚や調停離婚の場合は、相手方が離婚を拒否する限り離婚を成立させることはできませんが、裁判の判決には強制力がありますので、仮に相手が「判決が出ても離婚しない!」と言い張ったところで、離婚することが可能です。

また、裁判離婚においては、離婚自体以外にも親権、養育費、財産分与、慰謝料等についても請求することができます。

裁判離婚で離婚するのは離婚件数全体の1%程度です。

これは、時間と労力がかかること、弁護士に依頼する費用が多額であることなどが原因であると思われます。

また、日本人のいいところか悪いところかは分かりませんが、世間体を気にしてできるだけ穏便に済ませたいという考え方もあるのかも知れません。

裁判離婚は、ドラマで見られるような一般的な裁判と同じような感じをイメージしていただければ分かりやすいと思います。しかし、プライバシーに関わる問題なので、裁判所の判断で非公開裁判にすることもできます。

調停前置主義

裁判離婚をしようとする場合、原則として訴訟を起こす前に調停をしなければならないという調停前置主義がとられていますので、どれだけ裁判による離婚を望んでいたとしましても、訴訟を起こす前にまずは調停をしなければなりません。

つまり、原則として離婚調停で夫婦が話し合いを行っても、離婚自体あるいは財産分与等の離婚条件で合意に達することができず調停が不成立になった場合や、調停に代わる審判離婚が行われないときや審判に対して異議申立てがあった場合に限り、裁判離婚という離婚形態を選択することができるわけです。

離婚原因が必要

離婚訴訟を提起して、裁判所に離婚を認めてもらうためには、民法770条第1項で定められている以下の5つのいずれかの離婚原因(法定の離婚原因)が必要となります。

ただし、離婚原因があるからといって必ずしも離婚が認められるわけではなく、裁判所が一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、裁判所の裁量で離婚請求を棄却することができます(民法770条第2項)。

詳しくは離婚原因のページでご説明しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。

  • (1)配偶者に不貞な行為があったとき
  • (2)配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • (3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • (4)配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
  • (5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

弁護士に依頼すべき

離婚訴訟は法律の上ではご自身で行ってもいいのですが、現実問題としてご自身での遂行は不可能に近いと思われます。

そのため、離婚訴訟を提起しようとされる場合、あるいは離婚訴訟を提起された場合は、速やかに弁護士に依頼されるべきです。

確かに、弁護士に依頼すれば数十万円は弁護士費用がかかるでしょう

しかし、離婚訴訟は上記のように双方の合意があろうがなかろうが判決を強制されるのですし、訴状の提出から始まり、多くの書面の提出が必要となりますので、その費用を惜しんでいる場合ではなく、専門家に任せるべきでしょう。

和解離婚という終結もある

裁判離婚は判決が出て終わるとは限らず、和解離婚という解決方法があります。

判決によって勝ち負けを決めるのではなく、原告(訴訟を起こした人)と被告(訴訟を起こされた人)が互いに譲歩して争いを解決する方法です。

離婚訴訟の多くにおいては、裁判官は和解を勧めてくる傾向にあるようです。

この裁判官からの和解の提案に対して、必ずしも和解に応じる必要はなく、判決を求めても問題はないのですが、裁判が長引くことは精神的にも時間的にも費用的にも負担は莫大なものになります。

ですから、裁判官から和解を勧められた場合には、ちょっと考えてみてもいいかもしれません。

和解離婚が成立すると裁判は終了し「和解調書」が作成されます。

この和解調書には確定判決と同じ効力がありますから、例えば養育費を月々○万円支払うということが和解調書に記載されたとすると、その養育費の支払いが将来滞ってしまった場合、新たに訴訟をすることなく、強制執行(財産や給与を差し押さえること)することが可能になります。

離婚届提出期限と添付書類

裁判離婚の場合、離婚届は裁判離婚成立後10日以内に、市役所(区役所、町村役場等)に提出しなければなりません。

また、協議離婚の場合は離婚届を提出するだけでいいのですが、裁判離婚の場合は「判決書の謄本」と「確定証明書」が必要です。

和解離婚の場合、離婚届は和解離婚成立後10日以内に、市役所等に提出し、離婚届以外に「和解調書の謄本」が必要です。

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